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秋葉原事件が問いかけるもの。 
「誰でもよかった、人を殺したかった」
・・・
「またか!」の衝撃とともに、テレビでもこの話題で持ちきりだ。
ワイドショーは、「自分の挫折を人や社会のせいにして、幼稚で身勝手だ!」「狂った奴の犯行」「死刑に!」と叫ぶ。

もちろんこんな犯罪とその容疑者が許されるわけは無い。
本人の動機や行動を分析する事は必要だが、その背景を明らかにして、再発を防止するためにはどうすべきかを考える事が社会に求められている。

人生の挫折と絶望、行き場の無い怒りは年間3万にもおよぶ自殺者と根はつながり、その数百倍の予備軍にも通じる。

人間らしく生きるとはどういうことか、そのために私たちは、社会は何をなすべきかが求められている。

「一人ぼっちでは人間らしく生きられない。明日がなければ人間らしく生きられない。」
障害者問題研究に生涯をささげた故田中昌人氏の言葉です。シンプルそのものですが、「人間らしく生きる」ことをズバリ言い表しているんでえはないだろうか。

 「また あったね(明日ね)!」と初めて言えた障害者の話。
 これは、きょうされんの元理事長に伺った話。
40歳を過ぎるまでずっと在宅で一人ぼっちだった女性が、作業所に来るようになったそうだ。
通い続けながら少しずつ、作業や職員・仲間になじみながら数ヶ月たったある日、重度知的障害の彼女が、「また あったね(明日ね)!」と帰り際に言ったという。
 明日をも知らない長い孤独のあとに、彼女は初めて、「おはよう」と声かけてくれる仲間や職員に出会い、一緒に出来る何がしかの役に立つ仕事に出会い、そして、仲間に合えて一緒に仕事が出来る明日を獲得したのだという話。

 仲間に出会えたこと、明日を知ったこと、これが「また あった(明日)ね!」の言葉を生んだのであり、これは彼女の「人間宣言」だ。

 四女の事、私事で恐縮だが・・・。
うちの四女は軽度の知的障害があり、高等特別支援学校に通っている。
「中学校のときは、特別クラスのときはよかったが、(ホームの)クラスでは下ばっかり向いてた。今は、友達も優しいし、学校が楽しい」と言う。出番があり、自分がここに居てもいい存在だと実感できるからだと思う。そして、嬉しそうに学級委員になったことや、みんなの前で発表できたことを、それこそ邪気なく嬉しそうに報告してくれる。
 中学の時は、明日の準備もしなかったのに、今は夜の8時になると、自分で明日のお弁当を作るようになった。タコウインナーと卵焼きと後は冷凍おかずだが・・・。
「あ、この子には確かな明日が出来たんだ。希望が持てる明日が心の中にあるんだ」と、その姿を見て思う。
そして、自己肯定観が生きる意欲と力を引き出している、と。


現実は・・・。
 派遣や請負、フリーター・・・低賃金で部品のように使い捨てる日本の雇用労働政策、年よりは早く死ねとばかりの後期高齢者医療制度、高齢者や母子家庭いじめ、餓死に追いやる生活保護切捨て、障害者の自立を阻む自立支援法・・・。受験競争と高い学費・・・。
 雇用も社会保障も教育も、税金も弱いものいじめばかり。

「右を向いても左を見ても・・・真っ暗闇じゃござんせんか」

・・・私たちは誰もが等しく「また あった(明日)ね!」という言葉を持ちうる社会をつくってきたであろうか。

 私たちは、「未来」や「希望」を縦糸に「信頼」や「ふれあい」・「連帯」を横糸に、自由に自分の人生をつむぐ事が保障されるような社会をつくってきたのであろうか。

 福祉の仕事は、人間らしく誰もが生きる事を保障する仕事です。
「秋葉原」を、わが仕事と生き方の中にとらえきれない視野では、日々の仕事も危ういのです。


 あの事件は、沢山の事を問いかけているのです。

「狂った個人」の行動として、ワイドショーが、日本の閉塞感が、よってたかってこの凶悪犯を叩く事で、安っぽい正義感を満足させるこの風潮こそが、また次の犯罪を生むのではないだろうか。

   どうしても所長として一言残したかった・・・。どうでしょうか、職員諸君や関係者のみなさん。








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鬼瓦

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