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1番大事なことは、「誰かに“助けて”といえること」 
ふみさんが陶友祭で発表するスピーチが、リハーサルで実習生の感動を呼んでいます。

それはなぜでしょうか?どういうことでしょうか?

改めて考えてみたいと思います。

■「助けて!」といえない人生

関連する4年前の所長のブログです。
貼り付けておきます。

陶友で一番大事なこと。
仕事も大事、社会人として生きることも大事。
でも1番大事なことは、「誰かに“助けて”といえること」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「人間らしく生きたい 10・28生活保護アクションin 日比谷 25条大集会」のアピールは、次のように結んでいます。

「・・・私たちは、無差別平等に生きる憲法と制度を持っている。
貧困に命を奪われないためのしくみはある。
私たちはもっと「助けて」と言っていいし、
私たちはもっと「助けて」と言われていい。
生活保護制度という命の砦を、私たちは守り、
より良いものに作り変えていく義務がある。

誰一人、貧困に殺されない社会。
そんな当たり前のために、私たちは声を上げ続ける。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

NO.2142 「助けて!」といえない人生

 人間の生きる力とは一体なんなのでしょうか。
人間らしさとは一体どういうことなのでしょうか。

     みのり4143

 陶友の職員たなかが、「誰かを頼れる力 」 というエントリーで、具合が悪くても我慢して、言わない仲間のことについて書いています。

・・・・・・・・・・・以下、引用・・・・・・・・・・・・・・・・

(たなか)『ふみさんちょっといい?具合が悪いんですか?』
(ふみさん)「・・・うん、ちょっとね。でも大丈夫。」
ニコッと困ったように笑います。

(たなか)『具合が悪かったら、ちゃんと言ってくださいね。』

(ふみさん)「・・・うん。具合が悪いって言ったら帰らないといけないと思って。そんなこと言っちゃいけんとかな・・・と思って」

これは、ふみさんのいつものセリフです。
いつも、どこでも、具合が悪くても我慢してやり過ごし、具合が悪いことは言わないのです。
「迷惑がかかるから」といいます。

 そのたび「職員や家族には、具合が悪かったりしたらちゃんと言ってください。誰も迷惑なんて思わないし、言ってくれたほうがいいんですよ。我慢してもっと悪くなったら大変だから。」と話します。
ふみさんはそのたびにニコッと困ったように笑います。

でも、毎回ふみさんは我慢するのです。


 陶友で一番大事なこと。
仕事も大事、社会人として生きることも大事。
でも1番大事なことは、「誰かに“助けて”といえること」

人は1人では生きていけません。
互いに支えあって生きていきます。

仲間たちにとっても、それは同じです。
1人でできないことも、誰かと一緒だったらできるようになるかもしれない。
おなかが痛いときはさすってくれたり、見守ってくれる人がいると心強いと思います。

ふみさんは今まで、障害があるがゆえに我慢したことや、言いたいことを言えなかったかもしれません。
苦しくてもグッと堪えたこともあるかもしれません。

でも、つらいときに「助けて。」と誰かに言えたら、少し楽になって、より生きやすくなるかもしれません。
言いたいことや、思いを伝えることは、生きる上で大きな力になると思うのです。
・・・・・・・・・・・・・・引用ここまで・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ふみさんは、聴覚障害がありほとんど聞こえません。
離島で育ち手話も習う機会がありませんでした。
縁あって結婚し子どもに恵まれましたが、その娘さんの事故死をきっかけに一人ぼっちになってしまったのです。

(参考過去ログ)
 ■NO.1362 「みんな幸せになる権利があるんだ!」・・・持病が悪化してしまった。
 ■NO.1369 「みんなちがって、みんないい」なんだ。
 ■NO.1918 石焼安納芋”ふみさんの幸せの黄色い蜜芋(安納芋)”が本格始動しました。

 「助けてといえない世代」が話題になったのはつい数年前。
 就職氷河期に正規で職に就けず、派遣やフリーターをしながらついには路上生活にまで落ち込んでいく若者達。
「こんな生活しかできないのは自分のせいだ・・・」
「自己責任」の呪縛にとらわれ、生活保護を申請したり、相談窓口に行くことさえもしない。他人に助けてなんてとても言えない、助けを求めることさえも思いつかない・・・そんな青年達のことがテレビで報告されていました。

 ふみさんもまたその障害を背負いながら、助けてと言えない人生を送ってきたのです。

時々腹が立ってしまう。
その「卑屈さ」に!
そして、そこまで追い込んでしまった彼女の人生の周辺に、時代に。

「人は1人では生きていけません。
互いに支えあって生きていきます。」

そんなこと当たり前じゃないか!
その当たり前が通用しない。

障害者自立支援法は、障害を自己責任として、その費用の一部負担を強引に押し付けてきました。

「人間は一人ではちっぽけで弱い存在だろう。あなたは一人では空を飛ぶことが出来ますか。
しかし、人間は、人類の一員としてなら自由に空も飛べる、地球の裏側まででも月までだって行けるだろ?・・・人間は類としてつながることによって個の限界を超え、限りない発達の可能性を持ってるんだよ。」

実習に来る学生に、オリエンテーションで必ず話すことです。
「それを実践し証明するのが私たちのたちの仕事だ」と。

 連帯し絆を結び、その人間らしさを取り戻す・・・。
俺たちの現場、福祉の現場は日々その中にあるんじゃないのかな。

 分断と孤立の中で洗脳された「自己責任」。
えらそうなことを言っても、傍らにいるふみさんを未だにその呪縛から解放してあげることが出来ていない。

 誰かが「人間は類的存在だ」と言っていたが、現代はますます「類的自覚」を求めているのではないだろうか。
震災後、特に・・・。


追記:こちらも同じような仲間の話・・・
■NO.2691 困ったことはちゃんと言うてよな!それが「自立」ってことばい。
http://toyugenki2.blog107.fc2.com/blog-entry-2496.html

 ■「助けて!」といえない人生ふみさんが陶友祭で発表するスピーチが、リハーサルで実習生の感動を呼んでいます。関連する4年前の過去ログです。よろしければ読んでみてください。陶友で一番大事なこと。仕事も大事、社会人として生きることも...

Posted by 大脇 友弘 on 2015年11月5日
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