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被災地支援では見えなかった現実 
  東日本大震災6か月 特集番組

 これはNHKで放送された、被災した障がい者の現状を特集した番組名である。

 番組の冒頭で障がい者の死亡者数が健常者の倍に上るとあり、改めて社会的弱者だと感じた。災害時に障がい者の避難支援をする仕組み(制度)はあったものの、表面的なものであり当事者たちにはまったく伝わっていなかったのが現状だ。これが障がい者の死亡者数を増加させた原因の一つである。支援制度があることは大前提だが、認知や普及がなければ、あってないようなものである。なんのために作った対策なのか制度なのか、誰のためのものかをしっかり確認・明確にしなければそれは意味を持たない。その事実に、こういった震災でも起こらないと気づかないことが悲しくあり、制度を作って終わりの傾向に疑問を感じた。
そんな中、番組の内で「次にまた同じことが起これば、それこそ100%人災である。障がい者を正確に把握する必要があり、障害に合わせた対策とそれを実行することが何より求められる」というような発言があった。これを聞いて、支援に行った南相馬でのことが頭に浮かんだ。行政には、被災地に居る障害を持つ仲間に対して、二度とこのようなことを起こさないことが、誠実に問題と向き合うことだと思って行動して欲しいと感じた。また、もし同じような震災が福岡で起きたら、福祉職員として人として何をすべきか考えておく必要があると感じた。
 

【牡鹿地区の場合】
 被災地のほとんどの地区で障がい者に多くの犠牲が出た。しかし、在宅障がい者48人中46人もの命が助かった地区がある。それが牡鹿地区である。助かった理由は防災訓練にあった。さほど広い地区ではないものの、30以上の避難場所が用意されており、被災時に助かるか助からないかは時間との戦いということを徹底していたそうだ。
 そしてもう一つ、重要なのは地域の人たちの理解と繋がりである。いくら避難場所をたくさん設けても、そこにたどり着けないと意味はない。しかし、牡鹿地区では隣人が重度の障がい者を救っていた。近所付き合いがあるからこそ、あの家には誰が住んでいるのかが分かり、震災時という混乱する状況下でもたくさんの命が助かったのだ。このことからも地域での繋がりと取組がとても重要だと言える。


【仮設住宅について】
 仮設住宅には福祉的目線で建てられたものが少ない。今まで関心を持っていなかったことに気づかされた。仮設住宅への入居希望者にはいろんな人がいて、健常者がいれば同じように高齢者や障がい者もいるのである。そういった生活に困難を抱えた人を配慮した仮設住宅が必要になるのは当たり前のことだ。しかし、現実にはバリアフリーと言っているもののスロープのみ。そもそも障がい者(当事者)に対する視点がない。障がい者を持つ家族が家の中での生活に手一杯になり、他に手が回らず自立に向かえない現状もある。確かにいち早く(スピード)完成することは大事だが、誰が仮設住宅を必要としているかを見落としているのではないか。被災によって多くの人たちが困難に直面している中、被災者の中にも格差や困難の重さの違いが生まれていることに憤りを感じる。地域による復興格差という言葉まで…。阪神大震災の教訓などはないのだろうか…。


【作業所】
 復興の中なんとか再開するが、仕事が激減。行き場のない障がい者で利用者数の急増、頼れる場所がないからである。利用者が増えることで職員の負担の増大に繋がり、きめ細かい支援ができなくなる。なので、作業所の支援も継続的に行う必要がある。


【行政】
 障害を持つ人が家庭に1人とは限らない。そういった人への支援(当事者・家族)が不足し、個別の濃い支援が難しい。求めていることは何か、震災で福祉の問題が表面化したが、こういった問題は以前からあった。また、津波ではたくさんの物が流されたが、その中には福祉用具も多い。義足や車いす、生活必需品など幅広くある。そういった物のニーズにピンポイントで応えることが求められる。だが、行政だと浅く広くといった感があるためピンポイントで対応することが難しい。行政の手の届かないところへ地域のサポート、民間の支援を増やしていくことが求められる。
 復興するにあたって国民の意見が反映させること、これを守ってほしい。復興は新生、障がい者を置き去りにしない社会を作り上げたときに復興と言えるのではないか。



 この番組を観て、改めて障がい者の置かれている立場や社会のなかで何を大切にするべきなのか、何が足りないのかが見えてきた。又、障がい者にとっての作業所の役割や存在の大きさも感じた。作業所はただ仕事をする以上の存在だということを感じたので、そういった目線も持ってまた日々の関わりを深めていきたい。
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じきょう

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