「たなかさーん。ふみさん、身体の調子が悪いみたいよ。」 突然ホンチャンが言いました。 (たなか)『ほんとですか?』 (ホンチャン)「うん、今言いよったよ。」 さっきまで何食わぬ顔で作業していたのに・・・ 担当職員なのに気付けなかった・・・という思いを胸にトイレから出てきた、ふみさんを呼び止めます。 (たなか)『ふみさんちょっといい?具合が悪いんですか?』 (ふみさん)「・・・うん、ちょっとね。でも大丈夫。」 ニコッと困ったように笑います。 (たなか)『具合が悪かったら、ちゃんと言ってくださいね。』 (ふみさん)「・・・うん。具合が悪いって言ったら帰らないといけないと思って。そんなこと言っちゃいけんとかな・・・と思って」 これは、ふみさんのいつものセリフです。 いつも、どこでも、具合が悪くても我慢してやり過ごし、具合が悪いことは言わないのです。 「迷惑がかかるから」といいます。 そのたび「職員や家族には、具合が悪かったりしたらちゃんと言ってください。誰も迷惑なんて思わないし、言ってくれたほうがいいんですよ。我慢してもっと悪くなったら大変だから。」と話します。 ふみさんはそのたびにニコッと困ったように笑います。 でも、毎回ふみさんは我慢するのです。 陶友で一番大事なこと。 仕事も大事、社会人として生きることも大事。 でも1番大事なことは、「誰かに“助けて”といえること」 人は1人では生きていけません。 互いに支えあって生きていきます。 仲間たちにとっても、それは同じです。 1人でできないことも、誰かと一緒だったらできるようになるかもしれない。 おなかが痛いときはさすってくれたり、見守ってくれる人がいると心強いと思います。 ふみさんは今まで、障害があるがゆえに我慢したことや、言いたいことを言えなかったかもしれません。 苦しくてもグッと堪えたこともあるかもしれません。 でも、つらいときに「助けて。」と誰かに言えたら、少し楽になって、より生きやすくなるかもしれません。 言いたいことや、思いを伝えることは、生きる上で大きな力になると思うのです。 皆がそうやって生きられれば、世の中もっと支えあって生きていけるのにな・・・とも思います。 「たなかさん、おなかが痛いの。少し休んでもいいかしら?」 といつか(「帰らされる」とか思わずに)言えるようになったらうれしいな・・・と思う私です。 (「“陶友”が具合が悪くてもいたい場所」という見方であれば、そこまでいうくらい大事な場所ができたのだな・・・とそれはそれで嬉しいのですが笑) |
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