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「合理的配慮」義務について考える。 
 障害者権利条約第2条は、意図的な区別や排除、制限という「直接的差別」は勿論、意図せずとも結果的に不平等を招くような取り扱いも「間接差別」として、「障害に基づく差別」としています。

 さらに、障害者にとって真の平等が実現できるための配慮=「合理的配慮」をしないことも差別だと定義しています。

 そこでここでは、新しい考え方である「合理的配慮」義務について考えてみます。

 そもそも障害者の権利条約は、何も障害者に関する新しい権利を作ったというものではありません。
国際的に到達した全ての人々の権利が、障害者に保障できていない。どうすれば実質的な権利を保障できるのか。そこで採用されたのが「合理的な配慮をしよう」という考え方なのです。

 その考え方のポイントの一つは、
障害にともなう様々な不利益や不平等は、これを解消するためには、様々な改善や変更を社会の側からしなければならない、としている点です。

 つまり、障害をその当人や家族の問題や責任に帰してはいけないとする考え方です。
自立支援法などは障害自己責任論に基づく応益負担を求めているわけで、権利条約の精神からは程遠い真逆にあると言わねばなりませんね。

 もう一つのポイントは、
「合理的配慮」を、「差別」との関係でとらえるという視点です。
条文は、「障害に基づく差別には、合理的配慮を行わないことを含むあらゆる形態の差別を含む。」と明言しています。

 つまり意図的な差別や目に見える差別だけでなく(直接差別や間接差別)、合理的な配慮をせず、必用なことをしないことも差別だとしたのです。

 具体的な社会生活への参加の場面で考えると、実に多様な配慮が求められていることが分かります。レストランがバリアフリーになっているのか、公的な窓口に手話通訳者が配置されているのか、・・・挙げればキリが無いぐらいです。それだけのことが社会に求められているということです。

 ただし、
条文には「不釣合いな又は過重な負担を課さないものをいう」とあります。
この「負担」の度合いは、国や地域に拠っても相対的なものとなるでしょう。
このことが、「無理だ」ということを口実に、公的機関や大企業が合理的配慮義務から逃げる口実にしてはならないでしょう。
 同時に、合理的配慮そのものを努力義務にとどめておこうとする動きもチェックしなければなりません。

 そういう点からも、罰則規定を含む実効ある障害者差別禁止法の制定は欠かせませんね。

 こうしてみると障害者差別禁止のために、社会には徹底した取り組みが厳しく求められています。
いずれにせよ、この考え方は、障害を持つ人々の具体的な社会参加の場面で具体的に検証されるものであり、当事者や関係者の主体的なかかわりを抜きには実現することは出来ません。

 お上がこうした権利を提供するものではありません。
ましてや日本政府は、障害者自立支援法だって、権利条約には抵触しないとする脳天気な考えですから・・・。

 権利は、たたかい取らなければ手にすることはできません。

 
 


第2条 定義

 「障害に基づく差別」とは、障害に基づくあらゆる区別、排除又は制限であって、政治的、経済的、社会的、文化的、市民的その他のいかなる分野においても、他の者との平等を基礎としてすべての人権及び基本的自由を認識し、享有し又は行使することを害し又は無効にする目的又は効果を有するものをいう。障害に基づく差別には、合理的配慮を行わないことを含むあらゆる形態の差別を含む。

 「合理的配慮」とは、障害のある人が他の者との平等を基礎としてすべての人権及び基本的自由を享有し又は行使することを確保するための必要かつ適切な変更及び調整であって、特定の場合に必要とされるものであり、かつ、不釣合いな又は過重な負担を課さないものをいう。

 参考までに、「合理的配慮」は、英語原文ではReasonable Accommodation、フランス語では”道理にかなった修正””分別のある改修」などというそうだ。
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鬼瓦

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